2006年01月21日

月の土地

 あの、話題になった(今でも話題?)米ルナエンバシー社の月の土地販売。日本においても2002年3月に米ルナエンバシー社の代理店となった株式会社ルナエンバシージャパンが月の土地販売を手がけ、かつてフジテレビの深夜番組に登場したあのストレイシープというアフロな羊キャラクターを描いた月の土地権利書すら販売されています。
 いわばエンターテイメント的な商売。と、ここまで言い切ってしまうとお叱りを受けかねないのですが、結論から言えば現存する法政策の下では月の土地オーナーになるということはもはや“おとぎ話”ではないのです。恐らく、このルナエンバシー社の宇宙不動産という商売が一種の世論喚起となって、これまでも「月の土地は誰のものか」という議論が繰り広げられてきたのだと思います。

 しかし、事実としてはルナエンバシー社が月の土地を販売して権利書を発行するビジネスが不当なものであることを示す唯一の法律が存在しない!というか、存在できないといった方がいいのでしょうか。この辺の法律関係は十分に調べたわけではないので断言はできないのですが、ルナエンバシージャパン社のホームページから得られた手がかりでは、多分「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」が最も有力な根拠になり得るだろうと考えています。

 この条約の第2条を見ると「月その他の天体を含む宇宙空間は、主権の主張、使用若しくは占拠又はその他のいかなる手段によっても国家による取得の対象とはならない」と記されています。原文ではどのようなニュアンスかは分かりませんが、結局国家が取得し得ないことを明言していて、そもそも「主権の主張」をのっけから否定する内容になっています。

 これはどういうことか。あくまでも素人考えですが、月の所有を宣言したデニス・ホープ氏(米ルナエンバシー社CEO)が「1980年にサンフランシスコの法務局に出頭し所有権の申し立てを行ったところ、正式にこの申し立ては受理されました(ルナエンバシージャパン社HPより)」とは言っていますが、法務局はもともと国家行政機関に属すわけだから、主権の主張すらできない国家行政が干渉し得る問題ではないので、受理というか容認せざるを得なかったのでは?そもそもこの辺が条約の欠点だったような気がします。もしかしたら、デニス・ホープはこれを条約の盲点として突いたのかもしれないですね。

 さて、そうとわかれば法理論や商業倫理がどうであるかはあまり議論しても実利がないわけで、ならばいっそのこと月の土地オーナー気分を存分に楽しむだけ。体力も気力も、いやいや月に行けるだけの知力も持たない私は夢のまた夢ですが、誰に責められることもなく“真面目な勘違い”を本気で楽しめる商品なのだから、誕生日のちょっとしたプレゼントや販売促進のノベルティ商品としても使えそうな気がします。正当に所有権を主張したいと考えている人にもスパイシーなジョークを求めている人にもきっと満足できる商品ですね。

 ご存知の通り、月の面積は無限ではありません。いずれ売り出しに割り当てられる土地がなくなれば「売り切れ御免」となってしまいます。現在はどうやら2期目の販売だそうで、オーナーは全世界で既に120万人を数えるほど。約1,200坪(1エーカー)の面積がわずか2,700円というのだから、今まで月に思いを込めても願いが叶わなかった人、もう迷っている場合ではありませんぞ。

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